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EVENT

2022.12.15

参加型ボイスストーリーとともにヴァロットン展を楽しもう!【耳で楽しむ芸術鑑賞レポ】

東京、丸の内の三菱一号館美術館で好評開催中の『ヴァロットン―黒と白』にて、音声MR体験イベント『参加型ボイスストーリー at 三菱一号館美術館<ヴァロットン展> “黒白の世界で謎の人物の素性を追え”powered by oto rea』がはじまりました。

新しい美術館の楽しみ方を提案する実験的なイベントで、2022年12月23日(金)までの期間限定開催。メディア体験会におじゃましてきましたので、その様子をご紹介します。

音声MR体験イベントってどんなもの?

本イベントはヴァロットン展を鑑賞しながら、スピーカー内蔵のメガネ型デバイスを装着しボイスストーリーを楽しむというもの。音のMR(Mixed Reality:複合現実)を活用した非接触型音響体験サービス「oto rea(オトリア)*」を用い、参加者の顔の向きや動作にあわせ、参加者のみに立体音響が流れる没入感の高い体験を提供します。

ボイスストーリーの内容はこちら。

気付いたら美術館の中にいた青年。自分が誰なのか、なぜここにいるのか記憶がない。
すると遠くからコツ…コツ…、と謎の男が近づき、なぜか記憶を取り戻す手助けをしてくれる。そのヒントを元に絵画を見ながら美術館を進み、青年の記憶を一緒に取り戻す体験型ストーリー。最後のあなたの選択が、青年の運命を左右する。
(公式サイトより引用)

このボイスストーリーは作品解説の音声ガイドとは別物です。架空の物語を聞きながら作品鑑賞というのはあまり聞いたことがなくワクワクします。いざ体験へ。

作品を鑑賞しながらボイスストーリーを楽しむ

まずは受付で専用機器を受け取ります。メガネ型デバイスを装着し、自身の動作を認識するためのスマートフォンを首からかけ、モバイルWi-Fiを持ちます。ちなみに筆者は元からメガネをかけていたのですが、メガネonメガネでも大丈夫でしたよ。メガネの皆様もご安心を。

展示室にはいるとすぐ、優美なクラシック音楽に包まれてびっくり。臨場感のある立体音響で一気に世界にひき込まれました。美術館は通常とても静かなので、全身で音楽を浴びながら作品鑑賞するのは新鮮な体験です。

ストーリーは、画家ヴァロットンの作品や人生に触れながら、記憶を失った「青年」と「謎の男」の会話で進みます。声優さんも豪華で、記憶を失った「青年」を演じるのは『ブラッククローバー』の主役 アスタなど様々な話題作で活躍する梶原岳人さん、「謎の男」は絶賛公開中の映画『SLAM DUNK』で三井寿を演じる笠間淳さんです。

ミステリアスなヴァロットンの作品とミステリアスなストーリーがマッチしており、音声は参加者のいる場所を読み取り自動で流れるため、作品鑑賞をしながら自然とストーリーを追える仕組みです。

作品エリアに合わせた音響効果も大きな魅力のひとつ。風景画のエリアでは自然の音に囲まれながら作品を鑑賞でき、心地よくずっと観ていたい気持ちになります。

一転、近代都市パリの街を観察し描かれた作品エリアでは、馬車の音、ガヤガヤとした喧騒、レストランでの食器のあたる音など、当時のパリの活気を耳でも感じることができるでしょう。

ところどころの壁に投影された猫や、ふくろうの線画アニメーションの鳴き声、展示室の暖炉での薪の爆ぜる音、展示室と展示室をつなぐ廊下でも鳥の鳴き声がしたり、随所に世界観にひたれる工夫がされていました。

友人やカップル、ご夫婦で来場しても、本イベントを聴き始めたら一人でじっくり堪能するのがおすすめです。
さて、ボイスストーリーの最後には「あなた」が選択を迫られることでしょう。黒と白の椅子の選択、あなたはどちらを選びますか。ぜひ現地で座って結末を体験してみてくださいね。

まとめ

本イベントは「5G」を活用した取り組みの一環で、新しい美術館の楽しみ方の実証実験として開催されています。ボイスストーリーという試みは「美術館にあまり訪れる機会のない客層にカジュアルなコンテンツを提供することで、敷居が高いというイメージを取り払えれば」という思いがあるとのこと。

実際に体験してみて、作品鑑賞をしながら展示の雰囲気に合わせたボイスストーリーと音響効果を楽しめるのは面白い仕組みだと感じました。エンターテイメント性があり、作品解説の音声ガイドとはまた違う楽しみがある鑑賞スタイルだと思います。
期間中はボイスストーリー、音声ガイドどちらも楽しめちゃうので、2周するのもアリだと思いますよ! 興味がある方は専用予約サイト(https://mimt.jp/event/11957/)をご確認ください。

ヴァロットン展のレポートはこちら。
黒と白で描かれたミステリアスな人間ドラマ。フェリックス・ヴァロットンの木版画の世界
記事をよむ


*「oto rea(オトリア)」って何?

「oto rea(オトリア)」とは、音のMR(Mixed Reality:複合現実)を活用した非接触型音響体験サービスです。 乃村工藝社のイノベーション・ラボラトリー「NOMLAB(ノムラボ)」がプロジェクトマネジメント・企画し、AR・MR スタートアップである株式会社GATARIが提供するMRプラットフォーム「Auris(オーリス)」を活用して2020年にサービスの提供が開始されました。複数の音を空間に配置し、顔の向きや動作に合わせて、ユーザーのみが得られる特別な音響体験を提供します。(公式サイトから引用)

イベント情報

『参加型ボイスストーリー at 三菱一号館美術館<ヴァロットン展> “黒白の世界で謎の人物の素性を追え”powered by oto rea』

開催期間:2022年12月9日(金)~12月23日(金)
9日(金)、14日(水)、16日(金)、23日(金)は21時閉館
その他の日程については、18時閉館
※12月19日(月)は休館日
開催時間:
■18時閉館(9日、14日、16日、23日を除く開館日)の場合
10:00~16:55のうち、20分間隔でスタート ※最終回のみ16:55開始
■21時閉館(9日、14日、16日、23日)の場合
10:00~19:55のうち、20分間隔でスタート ※最終回のみ19:55開始
会場:三菱一号館美術館
体験時間:約1時間
参加費:無料 ※事前予約必須(但し、当日有効の「ヴァロットンー黒と白」展の鑑賞券または、MSSサポーターカードが必要)
予約URL :https://mimt.jp/event/11957/
Peatixにて予約受付中  *各枠6名、定員に達し次第予約受付終了

サービス開発: 株式会社GATARI
体験設計: 株式会社乃村工藝社
シナリオ・ビジュアル制作: 株式会社ハレガケ
コンテンツ制作協力: 三菱一号館美術館

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moca

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絵本やインスタレーションアート系の展示が好きなデザイナーです。趣味は街中の銅像探し。
藤子・F・不二雄先生を大尊敬しています。その他好きなアーティストはミヒャエル・ゾーヴァさん、馬場のぼるさん、三沢厚彦さんなど。

絵本やインスタレーションアート系の展示が好きなデザイナーです。趣味は街中の銅像探し。
藤子・F・不二雄先生を大尊敬しています。その他好きなアーティストはミヒャエル・ゾーヴァさん、馬場のぼるさん、三沢厚彦さんなど。

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